1月26日(日)、雑談。
フリーダムで働きたいという若者が来た。
久しぶりだな…半年ぶりくらいかな…と思ったけど、そういえば半年間店が無かったと思い出す。
なんと頭の悪い…。
外から見て働きたいと思ってもらえるのは光栄なこと。
誇りに思うべきことだし、そう思われるようになっていかなくちゃいけない。
でも毎回歯がゆい。照れる。
話している中で「いくら売りたい、目標金額とかありますか?」みたいな質問を受けた。
難しい質問だったけど、少し言葉をいじって、「いくら稼ぎたい?」という問いに変えて答えておいた。
これなら昔から明確な回答があって、『同世代の平均年収より上』。
具体的には30代前半の平均年収が440万円だから、私は441万円以上稼ぎたい。
稼がなくちゃいけない。
借金を背負っている以上は、それに見合ったリターンがないといけない。
プロのスポーツ選手は「アイツの年俸が1億円ならオレは1億と1円以上じゃないと絶対契約しない!」と主張して、その1円は絶対に譲らない。
それと同じように、サラリーマンの年収が440万円であるならば、私は441万円以上稼がなければならない。
別に何倍も何千万円もとは思っていないが、だからと言って平均年収を下回ってもいけない。
仮に借入金が全てなくなれば平均年収と同等でもいいのかもしれない。
しかし現段階ではリスクがある以上、相応のリターンが無いと話は成り立たってこない。
私は、自転車業界が儲かると思って参入した。
ボランティアでも、道楽でもない。ただ自転車が好きなだけであれば、外でサラリーマンをしながら趣味で自転車に乗ればいい。
でも自らの意思で自転車業界に入った以上、それに見合った経済力を持たなければいけない。
そうでなければ次の世代が今の自転車業界を見て、自転車業界に入ろうとしてくれないだろう。
今から本屋を目指す若者がいるか?今から本屋に金を貸す銀行があるか?
おそらくないだろう。残念ながら書店業界は死んだ。誰が本屋を殺したかは知らないが、目指す若者がいない以上は未来が無い。
でも自転車業界はまだ生きてる。
自転車業界を未来で生かすために、次の世代にうったえるだけの経済力を今のこの私が持たないといけない。
それこそが10年前の私に自転車業界に入りたいと思わせてくれた世代への恩返しであり、現時点でこの業界にいる人間の責務だ。
だから、たった1万円でいいから平均年収+1万円というデッドラインは崩してはいけない。
楽しむだけなら趣味で留めるべきだ。
そう考えてずっとやってきた。
フリーダムで働きたいと言って訪ねてきた子は29歳だそうで、まだ若い。
私より若い人にそう思って貰えているうちは、フリーダムは一定の責任を果たせているという証拠のひとつと言える。
今回また借入金を作ったから、これを返済したら誇ることにしよう。フリーダムはまだ千葉銀行のものだから。
フリーダムは10年が経つけど、未だに正社員がいない。
こういう依頼というか、正社員にしてくれという話も無かったわけではなかったのだが、ずっと断ってきた。
その理由のひとつとして、私がフリーダム店長になるためのキーポイントだったと感じることの1つが、借金することそのものだったからだ。
借金のプレッシャーを背負って生活すること、それを乗り越えて完済する経験こそが、店長としての胆力を鍛えるための必修科目のように感じてきた。
だから仮にフリーダムのような店を作ろうとして、フリーダム店長のようになろうとしたら、フリーダムで働いてはいけないという矛盾が生まれてしまう。
人の雇い方を覚えるというのはフリーダムの直近の課題なんだけど、この理屈を覆すだけの何かが生まれない限り、私は誰かを雇えない。
そんな話をした。
この写真が何故か埼玉のお客さんから送られてきたけど…。
誰が撮ったんだろう…