【参考①】2018年7月31日の日記【補足/再掲載】
(2018年の)今年のツールを見ていて、ディスクブレーキは不要だとの考えが強まった。
私の手元に全てのデータがまとまっているわけではないが、全体的な傾向としては、
①エースは使わない。②各選手らでそれぞれ重要なステージ、あるいは自身が勝てそうなステージでも使わない。
この2点が明白だ。
一方で自分にチャンスがないステージに限定して使われるディスクブレーキは、やはりメーカーの販促目的以外で選ばれているとは言い難い。
最終日のシャンゼリゼに限ってはディスクロード率が高かったのは露骨である。
ロードバイクにおいてディスクブレーキを採用した時、制動距離が上がらないことは十分に知られている。
制動距離を短くするにはタイヤのグリップ限界の方が課題であり、ディスクローターだとかリムブレーキだとかいうレベルに達していない。
ディスクブレーキはあくまでウェットコンディションで挟力が落ちにくいというだけであり、絶対的な制動距離の縮小につながるわけではない。
そのほかに2つネガがある。
ひとつがスポークが大きく張り出していることによる空気抵抗の増加。
自転車の空気抵抗の大部分はスポークによるものであり、それはヘッドチューブ周りのワイヤーの露出の比ではない。
スポークの空気抵抗を減らそうとしたとき、より太く深いリムを使って、スポークを細く、短く、少なくなるように努力してきた。それがディープリムの歴史だ。
しかしディスクローターの存在によって、スポークは太く、多く、リムの全面投影面積から大きくはみ出してしまうことになった。
エアロロードの優位性もディープリムの優位性も確定的なのに、ディスクブレーキはそれを台無しにしてしまう。
そしてもうひとつのネガティブは、ローターが左側についていることで、ブレーキをかけたときに左側に引っ張られてしまうこと。
平たく言うと、右にカーブするときに自転車が立ってしまう事。左右対称に曲がることが出来ず、高速になればなるほど顕著になっていく。
これがスポークのテンションやパターンで解消できないことは、オートバイクの歴史が証明している。
解決するにはスーパースポーツバイクのようにダブルローターにするしかない。
では果たしてロードバイクがダブルローターになるのか?
それはまだわからない。
ディスクブレーキを局所的に捉えれば、ウェットコンディションでのブレーキ踏力が上がってハッピーだろう。
しかし自転車全体で走る、止まる、曲がる、の基本性能を整理していったとき、ディスクブレーキのロードバイクは、マイナスかイーブンかであり、ポジティブな部分は少ない。
シマノと蜜月の関係であったジャイアントが、フルモデルチェンジしたプロペルでディスクブレーキのみの展開とした時、あるいは個人的に懇意にしているルックが2019年に795系でディスクブレーキモデルを登場させた時、これにて私も来年はディスクを保有しなければいけないかと観念した。
しかし今年のツールを見るに、やはりディスクブレーキは不要だという結論に至った。