新店舗建築風景コメント付き総集編(内装編)
本日が建物工事完了審査日。
予定にはなかったけど、たまたま立ち会うことが出来た。
民間委託とはいえ行政への対応と、全体の納期を前にして建築メンバーはピリピリした数日を過ごしていたけど、最終的には非常に素晴らしいものが出来上がった。
フリーダムの作成は総合建築ではなく全て独立した専門工務店の集まりだから、すごく悪く言えば連絡や段取りがスムーズではないけど、良く言えばどこにも弱みのないスペシャリストの集合体。
ここからすぐに内装改築と、足場が退いたら外構工事が始まるけど、全体の山場は超えたんだと思う。
でもレースはラスト200mが一番きつい。ゴールまであと少しが一番きつい。まだもうちょっときつい。
外観は真っ黒。
ここからツートーンに塗り分ける予定はあるけど、優先順位は低く、やらなくても使用に差し支えないので、かなり後日になると思う。
入っていきなり階段。
手すりは暫定のものが付いており、正式なものが後日両側に着く。
この階段は子供や体が不自由な人が使うわけではなく、健常な大人が自転車を抱えてクリートで登るのが目的のため、手すりは一般家庭のそれよりも30cm以上高い位置になっている。
右手にステム、左手に手すりを握ったときに釣り合う位置に。
床材はマンションの外付け階段に使うものを採用しており、それはMTB勢が金属クリートでほじっても大丈夫なように。
2階。
白と濃い木目は完全に私の趣味。
床も壁も蛍光灯も、完成車やフレームを際立たせるために全体的に真っ白。
更衣室とお風呂。
お風呂は1回500円で貸し出す予定。
風呂と洗面台だけで200万円近く使っているので金額は悩んだけど、別に誰も使わなくても私が使うし、フリーダムはお風呂で儲けてる会社じゃないからワンコインでいいやってなった。
1階は整備スペースと補修パーツ、そしてイスとテーブル。
通常なら店舗入り口から一歩目には完成車やフレームであることが多いけど、フリーダムの一歩目にはブレーキシューを置く。ディスクブレーキユーザーは特にブレーキパッドのチェックをしない傾向にあるから、一番目立つところにブレーキシューにする。
床の色は2階よりもだいぶ落ち着いた色に。
1階は自分のバイクがメンテナンスされるのを眺める場所になるので、なるべくチカチカしないで落ち着ける色にした。
選んだのはやっぱり白と木目。避けたのはステンレスシルバーと錆止めの赤。
トイレ。
勝手に開いて、勝手に流れて、勝手に閉まって、勝手に掃除してくれる。
自転車でいったらドグマ級。
トイレットペーパーの天板も、後日正式な色合いに変更する。
休業期間中にいろんな自転車屋を見てきたけど、新しいフリーダムの整備スペースは広い。
旧店舗をしのぐ整備スペースは、"この店は整備スペース広いな"って思った店の2倍くらい広い。
やろうと思えば2人で4台並行作業が出来るくらい広い(やらないけど)。
これからの時代はオイルブレーキが主流になると仮定して、それに対応した整備スペースにした。
オイル作業(液体作業)は、揚げ物料理を想像してもらうとわかりやすいと思うけど、なによりも準備と片付けが大変。
今はバイクがどんどん複雑化して専門化して作業時間もすごく長くなってる。でもショップは伸びた整備時間と釣り合うだけの工賃が得られてないのが実情。だからショップが苦しくなっちゃってるんだ。
複雑なプラモデルを小っちゃいテーブルで作るか大っきいテーブルで作るか、みたいなものだから、素早くミスなく作るには絶対に大きなテーブルが必要。
でもそれは、せっかくの店舗面積に対して商品を置かないってことだから、お店には葛藤がある。
そうはいっても20台整備してた時間で21台こなせるように常に努力していかなれば、どんどん複雑化するロードバイクに対応出来なくなっていってしまう。
私はまだ若いから、もうしばらくこの業界にいなくてはいけない。
通販に押されて在庫縮小化が進む小売店全般だけど、私は小さな整備ひとつ対応するのに数日かかるような店にはしたくない。
とにかく整備最優先に則った店を作ったつもり。
新しい世代にいつ対応出来なくなるかわからないから、新店舗が出来上がった時から次の世代のことを考えないといけない。
これできっと2020年はなんとかなった。
でも2030年はわからない。
はたして理想を求めるだけのお金が追いついてくるかな?