新店舗建築風景コメント付き総集編(前編)
融資が決まった段階ではまだ旧店舗が稼働していて、新店舗の設計は旧店舗で打ち合わせていた。
どんなお店にしたいかとどんな整備場所にしたいかはほぼイコールになるため、こういう店にしたい!というのは頭の中で作るのに時間はかからなかった。
でもそれを紙に起こすとなると別問題。
理想はだだっ広いまっさらなスペースがあればいい。なのに法律上ではアレダメコレダメ、コレ無きゃいけないアレ作っちゃいけないという問題が起きてきて、理想を邪魔する余計なものをどうにか邪魔なく済ます作業が煩わしかった。
「昔はなかったんだけどね~」から「今はやらなきゃいけないのよ、」になったのに、その費用を行政が補助金で補填してくれるわけじゃないのだ。
ある日、建設現場に来ると、ショベルカーと木材が置かれていた。
煩わしい事務作業をこなす一方で、現場に物理的な実態が現れたときは希望を感じた。
まだ建築費用を支払う前だったから自分の口座にはたくさんの現金があったけど、支払った以降は投資金額のプレッシャーを感じるようになり、希望だけでは済まなくなっていく。
こういったお金が絡む自身のメンタルの変遷は、客観的に俯瞰視してる分には楽しかった。
基礎作業をしている段階ではまだ私も事務作業が続いており、現地を見に行く頻度は低かった。
しばらくの更地作業が続いた後に基礎ができてた時は「おぉぉぉぉ~」ってなった。
もはや8割出来上がった感覚になってた。
このあとに台風×2と大雨×1が来て、トータルで工期が6週間延長する。
ヤバい台風がくるからと工事を延期したり、台風が過ぎたと思ったら木材工場が停電停止したり大工さんが被災したり。
よく聞かれることのひとつだけど、私はサイクルフリーダム以外の副業は無い。だから工期が1ヶ月伸びれば無収入が1ヶ月増える。店舗がなくとも会社の経費は流れ続ける。
時期的に台風が来ることは織り込んでいたけど、だからと言ってあんなデカいのが何個も来るとは思わないじゃないか。
台風の翌日に見に行ったら、そりゃあもうひどい有様だった。
台風が過ぎ去るとまた作業が進みはじめる。
新店舗は旧フリーダムと千葉駅の中間点にあるため、千葉駅でなにかしら仕事があれば行きや帰りに覗くことができる。
写真は...監督(お客さん)があっちむいて電話していた。
しばらく遠くから眺めて待っていたが、いっこうにあっちむいたまま電話が終わらないので声をかけずに帰ったりもした。
上棟。
この作業を見ることはできず、行ったら出来てた。
その時自分が何をしていたかは覚えてないけど、今思えばこの作業は無理してでも時間を空けるべきだったと後悔している。
店舗を作ってくれている大工さん(お客さん)↑↑が、2年前の忘年会で、
「店長ォ!フリーダムで店舗作っときは言ってくれよ!俺ァがんばっからよ!」って言ってくれた。
その時はまさか自社テナントを作るとは思ってもいなかったが、その1年後から移転問題が表面化し始めて、実際に頼むことになった。
そのほか設計も建設も設備も機材手配もほとんどみんなお客さん。
フリーダムの店舗をフリーダムのみんなが作っていることが何より嬉しくて、店舗に見に行ける日はいつもウキウキしていた。
完全ワンオフの自転車専用テナントなので、1階が高い。
2階建てではあるけれど、自転車を吊り下げる手前天井が高く、一般住宅にするとほぼフルサイズの3階建てに近い。
大工「(柱の一本一本が長いので)重くて大変だべぇー」
土を掘ったり基礎を作ったりすることに比べると、上棟作業は派手。
店舗の形も目に見えて具体的になってくるため、見に行くとお客さんがいることも増えた。
店舗の1階部分に土間となるモルタル敷設。
コンクリート車やその作業風景を間近で見ることはほとんどない。とにかくメカニカルなクルマだからすごい観た。
ただコンクリが流れていくだけの風景がとにかく面白かった。
一方の2階はといえば屋根ができてた。
ここまで行くと資材が雨から凌げるので、大工さんとしては一安心だそう。
「ここからは速いっスよ!」 と言ってたし、物理的にもそうなのかもしれないけど、精神的にはここからが長かった...。
後編に続く。