9月8日(金)、雑談。
風邪。
昨日よりは良い。
画伯系と評価された。あまり良い意味ではなさそうだ。
アメリカトイザらスが破産申請だそうな。
おもちゃ屋業界が厳しいのは何年か前から言われていたけど、業界を代表する企業の破産がヤフートピックスに載るようだと、業界全体としても末期的だろう。
街のおもちゃ屋さんをハローマックが駆逐して、そのハローマックがトイザらスに潰された。そしてトイザらスが今アマゾンに殺されようとしている。
トイザらスはアマゾンに対して価格で対抗しようとしたけれど無理だった。どんなに値引きをしようとしても店舗を構えて家賃を払う以上、通販と同等以下にはならないからだし、値引きを嫌がるメーカーと板挟みだったであろう点は同情する。
4年くらい前、フリーダムの隣のテナントは釣具屋さんだったけど、無くなってしまった。釣り業界も風前の灯火だ。ゴルフ業界も、家電業界も、書店もみんな潰れそう。今はおよそ小売店のほとんどが厳しい。もちろん、自転車界もだ。
街の電気屋を潰したヤマダ電機も、町の本屋さんをつぶした大型書店も、みんなアマゾンに潰される。
ロードバイクとておもちゃみたいなものでサ。
スポーツサイクル業界は...街の自転車店が各地域の大手チェーン店に潰しきられる前に、ハローマックごとアマゾンに飲み込まれようとしているイメージだろうか。
小売店が厳しくなるとメーカーが先に死ぬ。
通販はあまりに多くの雇用を殺すから、私は行政からいずれ何らかの規制や制限がかかると思っている。しかしはたしてそれが間に合うかどうか。施行されるまでにどれほどの会社が残っているか。残された焼け野原にどれほどの商売人が帰ってくるか。
小売店の無い街など、死の町だ。人は家に引きこもり、インターネットでウィンドウショッピングする。自分が欲しいものは宅配業者が持ってきてくれる。
そりゃぁもうベンリな時代が待っているさ。
スポーツサイクル界の救いは、整備工賃があることだ。
モノを売ること以外のお金の作り方がある。たとえ商品を一切置かなくなっても、整備需要だけで食べていける可能性がある。
フリーダムでは、ライトとシューズの在庫はほとんど置かなくなった。
ライトは把握しきれないほどのメーカーから膨大な種類のライトが販売されている。どんどん新しい商品が追加され、あっという間に廃版になり、しかし1つひとつの単価は低く、展示に必要な店舗面積に対して利益額が割に合わない。
シューズも同様だ。メジャーなメーカーだけでも10を超え、グレードがあり、サイズがあり、カラーがあり、毎年デザインが変わってゆく。かさばる箱が積み重なって、単位面積当たりの利益額が家賃を上回ることはない。
そして何よりこの2つは通販に致命的に弱い。
だからSHARPやTOSHIBAが赤字部門を切り捨てたのと同様、フリーダムはライトとシューズ部門を切り捨てた。
でもきっとライトやシューズこそ、ユーザーらが実際に手に取って試したいものなのだろう。
ライトは、メーカーのイメージ図や公称値だけでは信用ならないから実際に点灯させて夜道を照らしてみたいだろうし、シューズも最終的な決定は試し履きをしてみないと下せないだろう。
しかしユーザーが試してみたいと思う製品は、小売店としては試させてあげられるだけのコストが回収できなければいけない。
買う側がやりたいものほど売る側がやれなくなっていくが、それはおよそ買う側が望んだものだと思っている。
私は工賃で作ったお金が赤字部門と相殺されないように、商品を売る赤字部門は切り離していく。
そうして気に入らない部分をどんどん切り捨てて行って身軽になった末に気づくのだ。
モノを置いてない店など、通販の下位互換だと。
「成長していると感じなければ、それが後退している証だ」という言葉があるけれど、小売店は商品が減り始めた時点で終わりの始まりだ。
トイザらスは通販に価格競争を挑んで死んだ。家電業界も通販に価格競争を挑んで死んだ。さて、自転車業界はどうするのかな?
夜。
どうやら風邪は治ったっぽい。
そして風邪は奥さんへ...岩佐家ピンチ。