11月19日(土)、雑談。
ラピエール・エアロストームDRS。
エフデジのチームサイトでは売られているけれど、国内正規品としてはこれが唯一の個体だそうだ。
日本選手権で与那嶺選手が乗っていたから、たぶんフォルツァの新井店長らは触ったことがあるだろう。
私は初めて触る車種だ。
箱を開けて、ざっと目を通した感じでは、けっこう作りが荒い。
基本的にはこのバイクはプロチームのストックバイクとして存在していて、選手がまさに使っている機材そのものである。
触ったら壊れてしまうような、荒い扱いをしたらすぐに破損しそうな、あるいは普通に使っていても消えていきそうな、ある種の儚さを感じる。
私が使っている796は各パーツのチリ合わせが非常に丁寧で、露出しているビスや処理も非常に細かく、いかにもR&Dを繰り返した本製品版といった印象を受ける。そこには美しさや使い勝手と速度を天秤にかけて、速度を妥協した部位がある。
それに比べてこのエアロストームDRSはプロ供給用のプロトタイプ感が強く、生々しいエグミがある。とにかく速いことだけが正義であり、ちょっとした仕上げの粗さやシンプルさなどは一切考慮しない、徹底的な潔さがある。その潔さたるや、美しい。
フリーダムは...私は...ママチャリ屋だったころから、クロスバイク、B級ロードバイク、A級ロードバイクを経て、今では各メーカーのハイエンドモデルからトップTTバイクまで整備を請け負うショップになった。
最初からロードバイクショップとして始められていればどんなだか楽だったと思う反面、1つひとつステップアップしてすべからく勉強出来たという感謝の念もある。お店がステップアップするにつれて、私もいろんなバイクに接することが出来た。
796をもってして他人のバイクを羨んだことはほとんど無かったのだが、このエアロストームは796に無いものを持っている。
私はルックに愛情があるから、もし過去に戻って796とエアロストームのどちらかを選び直せると言われても、796を選ぶだろう。
そして再び、このオーナーがエアロストームを所有することに一抹の嫉妬を感じるはずだ。