9月19日(水)、全日本最速店長選手権。
場所は千葉県成田市の下総フレンドリーパーク。地元というほど馴染みはないが、関西ショップからすればホームコースに見えるだろう。
店長選手権は、おそらく業界でもっとも宣伝力のある催しであり、このためだけに強いスタッフを店長にする価値がある。
この店長選手権が存在することによって、元プロ選手が引退して即店長になるという流れすら作り出しているわけで、エントリーリストを見ていつも思うが、メンツがヤバい。
このレースへのエントリー方法はよくわからない。
どうやら出たいと言って出られるわけではないようで、エントリーはサイスポから声がかかるのを待つことになる。サイスポに広告費を出したからどうというわけでもない。
フリーダムはサイスポに限らず自転車業界のあらゆる媒体に宣伝広告費を出していない。シクロワイヤードのレコメンドショップにすらお金出してないからね。
今年で8回目となるこのレース。
8回もやれば一般のレースとしても歴史のある方で、同じ場所で8回も続いたレースの方が少ない。
第1回開催から第3回までは5周ごとの目まぐるしいポイントレース、4〜7回目はシンプルなマスドロードだった。
そして今回はマスドロードに加えてポイント賞が設立された。
優勝とポイント賞は別ジャージであり、ポイント賞ジャージは完走しなくても貰えるらしい。
このメンツの中でポイントを重ねられる人が完走出来ないわけないのだが...とツッコムのはヤボで、40周目で燃え尽きる戦略も取れるようになった。
何も持って帰らないよりははるかにいいだろう。
1周1.5kmのコースを50周。
うち10、20、30周回目は5・3・1点、40周目は10・6・2点がつく。
4回目のポイントはダブルなので、1〜3回目の3位通過はほぼ無意味。4回目の1位と、それまでの3回のうちどこかで1回取ればポイント賞になるだろう。
40周目のスプリントポイント(以下SP)が終わるとラストに向けた動きが始まると予想される。
40周目のSPを取りにいく動きとラスト10周の展開がややかぶるため、作戦としては10周目のSPにそこそこの力で1位を狙にいきつつ、もしそれが実現できたら40周目のSPも狙う。
スプリント賞よりは優勝が欲しいので、あくまで1回目に集団の流れで1位通過できた時のみスプリント賞を狙うとした。
バイクは795で。
795-30thはおとといの事故で使えなくなってしまったので、撮影のために持って行ったが使用はしなかった。
まぁ、性能は変わんないんだけど。
レース序盤は集団最後尾で。
ハンドルに手を添えると痛いので、なるべく手放しや上ハンドルでやり過ごすことに。
10周目のSPは、8周目から前に上がって10番手ほどに陣取ったが、前方が粘ってポイントを取りに行ってたので参加せず静観。
ふたたび最後尾に戻ってラスト10周になるまで待つ。
1〜40周までの展開としては、SPに積極的なのがユーキャンの品川店長。
2回連続で取りにいったので3,4回目はみんな黙認するかと思ったが、その後ビチクレッタシドーの安藤店長がまくりに行った。これは意外だった。
ポイント周回に向けてペースアップした集団は、SPが終わるとフッと緩むので、そこをディフェンディングチャンピオンの筧店長が抜け出そうとする。これがずっと繰り返されたので、40周目のSPが終わったあとにも再度仕掛ける(そして失敗する)であろう筧店長にカウンターをかけることを決めて、後方で脚を溜めながら過ごす。
テールエンダーは私とスクアドラ湧元店長、そして安藤店長がポイントを持っているので同系列店のビチクレッタシドー中尾店長。
42周目から1人逃げ。
案の定SP直後に筧店長が抜け出そうとするので、そこからカウンターで一人逃げ。
集団からヌルッと20mくらい離れたところからガチ踏み。パッと15秒ほど開く。
これが30秒まで開いたら、あとは10分間苦しみに耐えれば俺の勝ち。そう思っていた。
ペースは2分4秒(Ave.43.5km/h)で、そこまで遅くはないペース。
ゴールまでまだ15分ほど残して逃げ切れるかはわからないので、捕まった時の展開も十分に鑑みてフルパワーでは行かない。
「どうかみんなで牽制していて下さい!」と祈りながら走る。
ここですぐに一人で最後まで行く気になれなかったのは、冷静というより単に弱い。
逃げ始めたはいいが、うまく巡行に入れない。
ハンドルに上体を預けると肩が痺れてしまうので、お尻を後ろに預けてハンドルにもたれず走る。
結果的に前踏みしすぎて脚で上半身を支えるような踏み方になってしまい、擬似的に踏みすぎたような状態になって脚が痙攣しそうになり、さぐりさぐり走る。
2周を2分4秒と2分7秒で走り、しかし後続は離れていかないどころか迫ってくる。
チラチラと後ろを確認しながら、この出力で離れないなら最後まではいけないと思い、次に備えて集団に戻る。
私の吸収から半周ほど後にカウンターで安藤さんが出て行く。ここが勝ち馬。
自分吸収からのカウンターが決定機というのは、かなりアレ。
それにしてもレースを通して安藤さんの放置のされっぷりはよくわからない。
安藤さんが抜け出した時はいつも誰も追わないのだけど、安藤さんって放置していい脚力じゃない。
スプリント賞ジャージと2位表彰台は敢闘賞モノ。
集団がアウトサイドに陣取り、岩島さんがインから出ていく。
絶対に逃がしてはいけない人に集団はついていけない。
安藤さん単独と岩島さん単独なら、岩島さんが絶対に追いつく。そして序盤から動き続けた安藤さんと後方で脚を溜め続けた岩島さんなら、岩島さんが100%勝つ。
後方は岩島さんのブリッジについていけなかった時点で勝負あり。ラインもひとつにならない。
その後は終盤のペースアップでバラバラになって、6人パックで3位争いに。
久しぶりに3位でも欲しい!と思っていたが、6人パックでドベの9位。
優勝の岩島店長は盤石って感じ。
100回やったら70回は勝つだろうと思っているけど、頭ふたつ抜けてる。
連載を楽しみにしてます!