12月8日(土)、雑談。
中国へのフライトはお正月が終わった後になった。
これは十分想定していたことであって、12月上旬までシーズンやって12月下旬から発足とあっては、移行期間が1週間ほどしかないことになる。それではソフト的にも物理的にも難しいんじゃないか?と。
だから、案の定でもあり、想定内でもある。
もともとは12月下旬に中国に行く、ために中旬には身を空けておく、ために12月9日での休業とした。
では12月いっぱいお店を開けられるじゃないかと言えばそうなのだが、いろいろ考えた結果、予定通り12月9日で終えることにした。
理由はいくつかあって、
◆人と会う予定ぎっしり
◆9日に終えるのを延長したとして、9日までに依頼されなかった仕事が延長期間に依頼されるかと言えば疑問である。
◆数か月前まで移転セールをやっていたので、まだその反動が予想されること。
もともとプロチーム帯同の話は、店舗を99%移転するつもりであったことと、移転準備に必要な休業期間数か月中のオプション的な企画だったこと。
だから3か月ほど売上ゼロになる覚悟が出来てしまっている以上は、数週間の延長に期待する売上は少ない。
ただ、お店は公式的には開かないとはいえ、12月いっぱいは基本的に千葉にいるし夜はお店でローラーしているはずだから、info@cycle-freedom.comでアポイントとってくれたら、ある程度の依頼は受けられると思う。
これはホムペの方でまた連絡する。
これから数か月にプロチームに帯同するわけだけど、ひとつみんなに伝えておきたいことがある。
それは、日本のショップのメカニックは、非常に高いレベルにあるということ。
別にフリーダムがプロチームメカマンより上手だと言いたいわけではない。これは経験談からくる全般的なイメージに過ぎないが、ショップを経営する傍らでいろんなショップを見てきて、そこで組まれたバイクは海外プロチームで実走しているバイクより上手に丁寧に組まれていることが多い。
よく言えば、日本人の几帳面さが整備に表れているのだと思う。
だから今回の企画は、私自身が技術を学びに行くというより、あくまで職業体験くらいの感覚でいる。その時に得るであろうひとつふたつのテクニックが、日本に帰ってきたときにフリーダムで一般ユーザー向けに応用できたら素晴らしい。
もう一つの目的が脚力の向上。
今の自分は、2~3年前の貯金を切り崩している状態であるのと、それもほぼ枯渇していると感じているのと、総じて乗る距離も強度も足りていないのを自覚している。
今、ロードバイクショップを取り巻く環境としては、メカニックと走り方を教える人が分業化してきたことが挙げられる。
フリーダムを始めた頃はまだパワーメーターなどは無く、ショップメカニックはバイクに乗らないことが通例で、せいぜいフィッティングに一言二言添える程度でしかなかった。
だからこそメカニックと選手を兼業するフリーダムがウケた。
しかし今はどこのショップも講習会やエクササイズ、ジムなどを備え、そこで教える専属スタッフを抱えるようになった。
月に2,000も3,000kmも走りこむようなスタッフが実業団レースや日本選手権で走って活躍し、それを宣伝の撒き餌として講習会を開き、お客さんを囲い込んでいく。元プロ選手やセミプロのようなアマチュアが実業団のE1やP1、アマチュアレース最高峰のニセコクラシックやツールド沖縄210kmで戦っている。
そこに私が割って入れるかと言えば無理だ。フリーダムの整備量を抱えながら月に1,000kmも走りこむことなど不可能であり、フリーダムのコンセプトはピンチである。
今回のプロチームへの帯同は厳密には選手として登録し、練習もレースもやりながらメカニックを手伝う次第だ。
この時の最高のシナリオは、プロチームの技術やテクニックを習ってフリーダムの整備に生かし、かつ選手としてレベルアップした状態で帰国し、日本のレースで活躍できること。もし海外プロチームに帯同していたメカニックが日本にそのままレースで活躍し、イエロージャージを着てながらフリーダムでメカニックを営んでいたら、夢のような話だろう。
逆に最悪のシナリオは、大して整備力が変わらないままメカニックとして忙殺され、脚力が上がるどころか戻らない状態で3か月を過ごし、今の弱い状態が変わらない事。何としてもこれだけは避けなければいけないが、現時点ではどちらに転んだとしても結果論にすぎないのではないか。私は不安だ。
中国語はちっとも勉強していない。
チーム内でのコミュニケーションは英語だというからそれほど心配してないが、私生活はそうもいかないだろう。
食への不安もある。味覚が合わなければ、3か月間ひたすらたまごチャーハンになる可能性がある。そんなのは嫌だ。
私はバイクを組んだ後はひたすら練習して、おいしい中華料理を食べて、寝て食べて走ってをしていたいんだ!自転車に乗る暇も体力も無いくらいメンテナンスとチャーハン漬けの生活は送りたくない!
私がこれからやろうしていることは、おそらく誰もが出来る経験ではない。これは23歳から10年間お店をやってきた中で生まれたコネクションから産まれた、数少ないチャンスだ。きっと私が40歳だったら、選手兼メカニックの話は無かったはずだ。
自転車業界にはたくさんの資格があるが、そのどれよりも価値のある”学歴”となるだろう。
自力でどうにか出来る問題ではない部分も多くあるだろうが、自力でなんとか出来る部分だってあるはずだ。
本来はかき入れ時である冬の3か月を休業するわけだし、再開してからの春先にどうなるかも予想が付きにくい。この1年間だけみれば店への負担はかなり大きいから、向こう10年間でちゃんとお釣りがくる経験ににしなければならない。
はたしてスーパーマンになって帰ってこれるかどうか。
今から1年間のストレスに耐えきれれば、今後10年間の土台が作れるかもしれないと思えば頑張れるはずだ。